最終章

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リンさんが居ないのがショックだったのだろう。 下3人は、目に涙を浮かべ……今にも泣きそうだ。 ……朱里も何となく寂しそうにしている。あの、人見知りの朱里でさえも。 「また来るって言ってたよ。だから泣いてないで早く飯食え。」 來夜がサラッと爆弾を投下した。 「えっ!?ホントっ!?」 「やったぁ!!楽しみだ!!」 ―――しかし、一番兄弟の中で驚いたのは俺だ。 「はぁっ!?來夜!今の話…ホントかっ!?」 「……俺が嘘言ってどうすんだよ。」 ―――リンさんが……俺の家にもう一度来たいと思ってくれたなんて、嬉しすぎて心臓が止まりそう。 ……まぁ、俺の兄弟のために言ってくれたんだろうが。 ―――それでも、嬉しかった。 朝ご飯を食べ終わった兄弟達は学校へ行く支度を始め、俺は必修科目も無いのでほとんど風邪は治っていたけど休む事にした。 兄弟を見送り、仕事に出掛ける母さんも見送り……一人家に残った俺は、リンさんの事を考えていた。 ―――でも、リンさんは本当に俺の事をもう一度見てくれるのだろうか。 そこが……一番の不安だった。
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