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「……はい?」
急に俺の話が遮られたと思ったら……リンさんの口から有り得ない言葉が聞こえた気がした。
『だから、僕と会ってよ。』
ちょっとイラついたリンさんの声。2回も言わせるな、と言わんばかりの投げやりな言い方だった。
「えっ……な、何で……」
―――いや、全く話が読めない。あんなに俺を拒否ってたあのリンさんが……俺と『会いたい』、なんて……。
『……ダメなの?』
悲しそうで甘える様なその声に、俺の理性が…ぶっ飛びそうになった。
「い、いえっ!!そんな事無いですっ!!ただ、びっくりして……」
『僕、今日……相澤君の事びっくりさせ過ぎだね。』
そう言って、クスクスと笑うリンさんの笑い声が……俺の耳に直接伝わって来る。
―――ヤバイ、耳が……擽ったい。それで、スッゲェ幸せ……。
「あの……でも、いつ会うんですか?」
『ん?何時でもいいよ。相澤君の体調が良くなってからで全然構わないよ。』
「俺っ…!早くリンさんに会いたいっ…!会って……」
―――話がしたい。もう一度、ちゃんと謝りたい。そして、願わくば……強く、抱き締めたい。
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