最終章

10/59
前へ
/231ページ
次へ
『じゃあ……今週の日曜日はどう?空いてる?』 「大丈夫です!ってか……もし日程入ってても絶対に空けます!!」 『そんな事までしなくていいよ。……じゃあ、会ったらまたゆっくり話そ?あ、場所は……三角公園ね。』 「三角公園、ですね。分かりました。あ、何時集合で?」 『……13時で、いいかな。』 「分かりました。俺、リンさんに会えるの……楽しみにしてますね。」 『……僕も、楽しみだよ。……じゃあ、またね。』 「はいっ…!」 電話を切るのが、こんなに躊躇われるなんて……初めてだった。 ―――何時までも、リンさんの声を聞いていたくて。 今なら、この幸せなまま……死んでもいい。 ―――いやいや、待て待て!リンさんに会えるまで死ねないわ! 今死んだら……後悔しか残らねぇつーの!! でも……どうしてリンさんは俺と話そうと思ったのだろうか。 …………今更。 ―――もしかして、『もう近付くな!』とか……改めて言われる?それにしちゃ…リンさんの声は穏やかだったけど……。 そんな事言われたら……俺、もう生きていけない。
/231ページ

最初のコメントを投稿しよう!

792人が本棚に入れています
本棚に追加