最終章

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だって、今まであんな冷たい態度を取られてきたこの俺が……明日、あのリンさんと会えるなんて本当に夢みたいなんだよ。 ―――何、言われるんだろう……。 正直、かなり怖い。 確かに、俺は何を言われようと今まで耐えてきたし、『嫌いだ』と言われても…それが当然だと思っていた。 ―――だって、俺はそのぐらい酷い事をリンさんにしてしまったのだから……。 避けられて、嫌われて、憎まれて……それでも好きだと言ってきた。 ―――本当に、それぐらいリンさんに惹かれていたから。 なのに……今回はあのリンさんから俺を誘って来たんだ。 『キモイから、もういい加減、付き纏うの止めてくれる?』 ……なんて言われたら、俺流石に生きていけない。 ―――そんな事言われたら……俺はリンさんを諦めなきゃいけないのかな? …………こんなに、好きなのに? グルグルと頭の中で色んな思考が巡る。 でも、全てマイナスな事ばかりで……考える度に俺は一人で落ち込んだ。 「あんな事……しなきゃ良かったのに…。」 そう言いながら、俺は浅い眠りについた。
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