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「ねぇ、君カッコいいね。どう?お姉さん達とこの後遊ばない?」
待ち合わせまであと10分といったところで、胸元が大きく開いた服を身に纏った20代後半の女二人が逆ナンをしてきた。
「いえ、人を待ってるんで。帰ってもらえますか?」
「いいじゃない。その子も一緒に遊びましょうよ。」
「……アンタらと遊ぶ気無いんで。帰ってもらってイイっすか?」
―――執拗い。そして、ウザイ。
「生意気だねぇ…でも、そんな子もアタシ嫌いじゃないわよ?」
「いい加減にっ……」
「あのっ…!!」
細く、優しい声が俺の耳に届く。
―――あぁ、この声は…………
「ごめんなさい…彼は僕と約束があるので……失礼します!」
そう言うと、リンさんが僕の腕を掴んで走り出した。
「あっ…ちょっと!待ちなさいっ!!」
そう言って追いかけて来る女共だったがヒールだった為、早々に諦めていた。
俺は……リンさんに掴まれた腕が温かくて、周りの景色が綺麗で……そして、目の前を走るリンさんがキラキラと輝いていて……見惚れた。
「ハァッ……ハァー…ここまで来れば大丈夫かな……?」
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