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「……うん…。」
「それは、この仕事としては内容的に違うものでした。『幸せの運び屋』はあくまでも本人の依頼によって動くもの。それなのに、リンさんの母親は……リンさんの事を愛して欲しいと、依頼してきた。本来は、そんな依頼が通るはずも無かったのに……高額のお金を目の前に出された社長と俺は、まんまとその罠に嵌ってしまったんです。」
「……。」
リンさんは一言も発さずに、ただ俺の言葉だけに耳を傾けている。
「そして、俺は……リンさんに接触した。けれど、本来はあんな形じゃなかったんです。それで、テンパった俺はいきなり大胆告白と連絡先を無理矢理交換したワケです。」
「……あの時は、僕も怪しいとしか思わなったよ。そんな訳無いって…。」
「……そうですよね…。俺も馬鹿だったなと思います。」
「一つ聞いてもいい?」
「はい、何でも聞いてください。」
「……あの時、相澤君は……僕の事好きじゃなかったよね?」
―――ドキッとした。
「……好きじゃ、無かったです。でも…これだけは言えます。」
「……。」
「少なくとも、俺は貴方に興味を持ちました。……何となく、可愛いと思いました。」
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