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「……本当?今日は嘘ついちゃダメだよ?」
リンさんが怪訝そうに俺を見つめてきたので、俺はしっかりと彼の目を見てもう一度言った。
「はい。……儚げで、寂しそうなリンさんを見て…そして、頬を真っ赤に染める貴方を…可愛いと思いました。」
そう言うと、また……頬が赤くなった。
―――やっぱり、可愛い……。
「それで……リンさんとデートして、オッケー貰って…この時は素直に嬉しかったです。あれ?もしかして……俺、この人のことが好きなのかもって錯覚しました。けれど、この時は違った。」
こんな事、本当は言いたくない。でも、リンさんに俺の気持ち全部を受け止めてもらいたかった。
「……報酬として、リンさんの母親から大金を貰った時、嬉しかったんです。……最低ですよね。リンさんの事を騙しておきながら、俺は報酬を貰う…。でも、俺はそんな事を考えられなかった。幼稚で、馬鹿だったんです。」
「……。」
「それで、これからも自分の与えられた仕事を頑張ろうと思った。……でも、俺の中でリンさんの存在がどんどん大きなものへと変化していったんです。」
「…………」
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