第1章

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『愛』とか、重くね? よく、そんな事を言われる。 ―――だけど、そんな事を言える人間は誰かしらに愛されてきた人間だけだ。 その人間は、自分以外の誰かなら誰でもいい。 親でもいい。 兄弟でもいい。 異性でもいい。 最悪、同性だっていいだろう。 『愛』が重いと言う人間は、僕から見たら幸せな人間で。 そんな幸せな君達は、本当のドン底を知らない。 本当の辛さ、そして寂しさを知らない。 僕は生きてきて20年、誰にも愛されずに育った。 ここまで育ってきたのは、決して自分の力だけではない。という事は頭ではしっかりと理解している。 ―――だけど、僕は愛情をもらえなかった。 僕に愛情をくれる人間と一緒に居ることが出来なかった。 何でそこまで言うかって? ―――だって、僕は……本当に寂しかったんだ。 女々しいって、笑われるかもしれないけれど……それでも誰かに愛して欲しかったから。
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