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そう言って俯いた僕の顔を翔君の両手が包み込んで上へと向けさせられた。
「……謝らないで下さい。これから、楽しむことだけ考えましょ?」
そう言ってニコリと微笑んだ彼の瞳に……僕は吸い込まれそうになった。
その瞬間、僕は思わず目をそらした。
「…は、はい。」
「……じゃあ、行きましょうか。何処に行きますか?」
「えっ…とぉ、……何処でも、いいです。」
「……じゃあ、映画にでも行きますか。すぐ近くに映画館ありますし。」
「はいっ!!」
「どれ見たいです?今の時間なら……この小説が原作のやつと、恋愛映画ですかね。」
そう言って翔君が二つの映画のポスターを指さした。
「あっ!これ……!」
―――その小説が原作になった映画が……僕の大好きな小説だったのだ。
「あ、これ知ってるんですか?」
「はい!知ってます!僕、この原作凄い好きで…この作者さんの小説も何冊か持ってるんですよ!」
僕がそのように楽しく話すと、翔君も嬉しそうに笑った。
「俺も、この原作好きですよ。……じゃあ、とりあえずこっちにしましょう!」
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