最終章

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目覚めた時……俺の瞳には幸せそうに眠るリンさんの顔が映った。 ―――結局、あの後は何もせず二人でイチャついている間にいつの間にか眠ってしまっていた。 ……ヤバイ、思い出しただけでニヤける。 ―――身体を重ねなくても得られる幸せってものを、存分に感じた日だった。 ああやって、リンさんに触れるだけで。 リンさんとキスをするだけで。 抱き締め合うだけで。 ―――ただ、幸せだった。泣けてくるぐらい、幸せだった。 ……キス、してもいいかな? リンさんの幸せそうな寝顔を見て……そんな事をふと思った。 チュッ……と、軽く唇に触れると…………真っ赤になっていくリンさんの頬と耳。 「……え?リンさん…もしかして……」 「ううっ……もうっ…!不意打ちやめてよ……」 そう言いながら、赤くなる顔を手で覆って反対側を向くリンさん。 そんなリンさんが可愛くて……俺は後ろから抱き締めた。 「照れないで下さいよー。こっち向いて下さい?」 「嫌だっ……ってか、丁度目覚めた時にキスしてくるんだもん…もう、最悪……。」
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