最終章

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風呂から上がって来て……俺は今、リンさんの髪を乾かしてあげている。 サラサラな毛質のリンさんの髪からは、俺と同じシャンプーの匂いがする。 ―――それだけで、堪らなく幸せだった。 「頭、熱くないですか?」 「ん、大丈夫だよ。」 バスローブから覗く白い肌。……相変わらず綺麗だ。 目を細めて気持ち良さそうなリンさんの表情を見て、俺まで顔が綻ぶ。 「翔汰君、もういいよ。…交代しよ?」 「はいっ…じゃあ、お願いします。」 「うん。」 リンさんの手が、俺の頭に触れただけで……俺はついついニヤけてしまう。 ―――だって、気持ちイイから……。 「熱くない?大丈夫?」 「はい、大丈夫です。リンさんの手、気持ちイイ……。」 「えっ?そう?」 「はい…。ずっと髪乾かして貰いたい……。」 「それは無理!お互いに火傷しちゃうからね!」 そう言いながらもリンさんの顔は嬉しそうだ。……めっちゃ笑ってるし。 「えー、それは残念…。じゃあ、たまに頭撫でて下さい。」 「たまにじゃなくて、毎日でも。」 そう言ってドライヤーを止めると優しく俺の頭を撫でてくれた。
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