最終章

45/59
前へ
/231ページ
次へ
「……?」 何だ、と思った俺はとりあえずリンさんの位置まで腰を下ろすと…… ―――チュッ…。 と、頬にキスをされた。 「……!?」 びっくりして、バッとリンさんの方を向くと……いたずらっぽい顔で俺を見つめてきた。 「フフッ…またね、翔汰君。僕からも連絡する。」 そう言うと踵を返して去って行った。 ―――めっちゃ機嫌良さそうに……。 俺は暫く、其処に呆然と立っていたが……ハッ!と今あった出来事を思い出して、急ぎ足で帰った。 ―――可愛い……可愛い、本当に可愛すぎるっ!! マジで心臓……一瞬止まった気がした。 時間も、止まった気がした。 一人で歩いて……ニヤけて完全に今の俺、不審者だなと思いつつも、そのニヤけを止めることが出来ないでいた。 マジで……幸せすぎる。 こんなに幸せすぎるなんて……夢みたいだ、本当に。 一時はどうなるかと思った。……もう、リンさんへの想いは断ち切らないとダメなのかと何度思った事か……。 諦めなくて、良かった。 想いが伝わって、良かった。
/231ページ

最初のコメントを投稿しよう!

792人が本棚に入れています
本棚に追加