最終章

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ピロリン 俺のスマホに1件のメッセージが届いた。 『リンさん』との表示。 俺はびっくりしてすぐそのメッセージを確認した。 『今日はありがとう。ちゃんとあの時の事も解決出来たし、思ってる事ちゃんと話せたし、それに何より…楽しかった。また一緒に出掛けたりしようね。 P.S.あの人の事だけど、連絡入れたら来週の土曜日なら空いてるって。翔汰君の都合教えて下さい。』 最初の文面はニコニコしながら見ていた俺だったが、P.S.の後からは緊張しながら読んだ。 ―――リンさん、もう連絡入れてくれたんだ……。 と言うか、リンさん……改めて思ったけど、本当に母親の事嫌いなんだな。 『あの人』としか、母親の事を表現しない。 ……でも、それもそうだよな。俺もあの人は母親だって思いたくない。 俺は何も考えずにリンさんに電話していた。 数コール後、リンさんが出た。 「あ、もしもし?リンさん。」 『……え、何で電話?』 「あ……ダメでしたか?今忙しいんなら……」 『あ!いや、そういう事じゃなくて…!メールしたのに電話で返ってくるんだ……って思っただけだから!』
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