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「リンさん……」
―――リンさんは、俺が欲しい言葉をいつもくれる。
そんな、優しいリンさんが……好きだ。
『うん、だから心配しないで。……じゃあ、またね。翔汰君。』
そう言って、リンさんは電話を切った。
リンさんの優しい声が……胸に染み渡る。
―――幸せって、こういう事を言うんだろうな、と実感させられた。
俺も負けない。絶対に、あの人を見返してやる。そう、強く思った。
―――そして、決戦の土曜日がやって来た。
ピンポーン…
家の呼び出し音が鳴り、真っ先に玄関へ向かう兄弟たち。
「リンお兄ちゃんだっ!」
「「リンお兄ちゃんっ!!」」
下3人が、喜んでリンさんの腰まわりにくっつく。
「滉輝くん、真衣ちゃん、芽衣ちゃん、久し振り。元気にしてた?」
「元気だよー!!リンお兄ちゃんはっ!?」
「フフッ…僕も元気だよ。お兄ちゃんはいる?」
「「翔汰兄ちゃん?」」
「うん、そう。」
「居ますよ。リンさん、おはようございます。朝から煩くてすみません……。」
「あ、翔汰君!おはよう。煩くなんかないよ、可愛いじゃん。」
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