最終章

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「瞳が……全然違うんです。」 「……?」 「最初会った時……リンさんの瞳は寂しそうで、悲しそうで……でも今はキラキラ耀いてる。……それが、俺にとって嬉しい事だし、すっごい…綺麗です。」 「翔汰君……」 「今日は母親とゆっくり話して下さい。……でも、」 ―――そう言って……俺はリンさんの顔に自分の顔を近づけていく。 「……次会った時は、リンさんの時間全部俺に下さいね?」 「……勿論…。」 そう言って、俺たちは柔らかなキスをした。 「……フフッ…好き、……」 「……もう、煽んないで下さいよっ…!ま、俺もですけど……」 そう言った俺を、幸せそうに見つめてくるリンさんに……俺はつくづく敵わないと思う。 フワリと微笑を浮かべたリンさんは……今まで見た中で一番綺麗で、可愛くて…好きだと思った。 「またね、翔汰君。」 「はい。また……あ、帰ったら連絡しますね!」 「うんっ…!」 嘘から始まった、恋。でも、それで初めて知った本物の、愛。 俺はもう二度とあの笑顔を失わないようにと……彼の笑顔に誓った。 相澤翔汰side fin.
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