最終章

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朝、目覚めると……目の前には僕の愛しい人の顔。 「おはようございます。よく寝れましたか?」 優しい声で話し掛けてくる、僕のイケメンな恋人。 ―――今日も相変わらずカッコいいこと……。 「おはよ。うん、それなりに寝れたかな。……体、すっごいダルいけど……。」 「アハハ…すみません。……俺、どうしても抑えられなくて。いつもがっついちゃって……。ホントはもっと優しくしてあげたいんですけど。」 と、申し訳なさそうに僕に謝る彼は……尻尾を下げて項垂れた大型犬の様だ。 「可愛い。」 そんな項垂れた彼を、ヨシヨシと頭を撫でると……気持ち良さそうな顔をしたので余計に犬に見えてきた。 ―――そう言えば、僕に撫でられるの好きだとか言ってたな……。 「俺、リンさんにしか甘えられないから……甘えられる時だけでも甘えます。」 そう言ってフワリと照れ臭そうに笑った翔汰君に思わずドキッとしてしまった。 翔汰君は、普段は家では長男だし……イケメン、しかもこんな男っぽい見た目じゃ確かに甘えられないだろう。 スリスリと体を寄せてくる翔汰君に擽ったさを憶える。
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