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「ちょっと……!や、擽ったい……っ!」
「あー……でも、やっぱりリンさんが可愛いから苛めたくなる。」
「もうー、止めてよっ…!あっ……てか!もう講義始まってるじゃん!!ちょっと、翔汰君何コマからっ!?」
「えー、俺ですか?……確か、3コマ?」
「3コマ……じゃあ、まだ大丈夫か。」
「リンさんは何コマなんですか?」
「僕は、4コマだよ。……でも、一緒に行こうね。」
「はいっ…!勿論!あ、リンさん。」
「ん?な…」
と、言い終わる前に唇を塞がれた。
「だーい好きです。」
そう言って、幸せそうに笑った。
「……僕も。大好きだよ、翔汰。」
初めの出逢いは、嘘で。
ずっと、つかれていた嘘。
―――けれど、初めて知った。恋という感情。
誰かを愛す事が、こんなにも辛くて、哀しくて……それと同時に幸せで。
こんな感情を持てたのも、全部相澤翔汰という人間に出逢えたからで。
―――だから、僕はこれで良かったと思う。回り道は沢山して来たけど……その分、幸せになれるって信じてるから。
これからも、永遠に。
黒瀬凜太朗side fin.
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