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―――そう。この物語は……後味の悪いバッドエンド。分かりやす過ぎる、報われないバッドエンドだ。
エンドロールが流れ始め、客もチラホラと帰り始めた。
「……結構、原作に忠実でしたね。」
そう小声で僕の耳元に囁いてきた翔君に、思わず肩が跳ねた。
「そっ、…そうですね!僕、思わず魅入っちゃいましたよ。」
「俺もです。……予想以上で、ちょっと驚いてます。」
「でも、珍しいですよね。こんな、原作通りでなおかつ、面白い映画って。」
「そうですね、原作を実写化するといつも叩かれますからね。……あ、これからどうします?昼ご飯、食べに行きますよね?」
「行きます!お腹減ったので……」
そう言った頃にはエンドロールも終わり、館内が明るくなっていた。
「何処に行きます?というか、何が食べたいですか?」
そう歩きながら、僕に質問してくる翔君。
「僕は何でもいいですよ。……翔君は何が食べたいですか?」
「えー…そうですねぇ……パスタなんかどうですか?無難に。」
「分かりました!じゃあ、行きましょうか!」
そう言って、僕たちはパスタ屋に向かって歩を進めた。
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