第1章

26/32

792人が本棚に入れています
本棚に追加
/231ページ
元気で可愛い店員さんは終始、翔君だけを見つめて……恋したような瞳を向けていた。 ―――まぁ、そりゃあこんなイケメンだからなぁ……。 そうチラッと翔君に目を向けると……翔君がこちらをジッと見ていた。 「えっ!?…な、ななな何っ!?」 「……俺、黒瀬さんのこと…知りたい。」 「えっ!?」 「……ねぇ、何でずっと敬語なんですか?」 「え…何でって……翔君だって、ずっと敬語じゃないですか!」 「いや……年上の人には、敬語使うべきでしょう?これ、世間の常識じゃないですか?」 ―――ん? 「……僕、翔君に歳の話、しました?」 確かに、翔君は僕から見れば年下だと分かるが……翔君から見て僕が年上だという事は分かるわけがない……という事は? 「えっ!?僕、老けて見えるってことっ!?」 そう言うと、翔君がブッと思いっきり吹き出した。 「ちっ…違いますよっ!ククッ…俺よりしっかりしてそうだったからです。しかも、私服でしたし。俺は、あの日制服着てましたからね。明らかに年上の人だ!って思っただけです。」
/231ページ

最初のコメントを投稿しよう!

792人が本棚に入れています
本棚に追加