第1章

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「…あ、そうなんですか。」 「ほら!また敬語!俺、高校生だから年下なんですってば!」 「……あぁ、ごめん……。」 「分かってもらえればいいです。……それで、黒瀬さんのこと教えてもらえますか?」 「僕の事聞いたって……多分面白い事も無いよ?いいの?翔君。」 「いいんですよ。……俺はただ、もっと黒瀬さんを知りたいだけですから。」 ―――その声は、強く僕の心に響いた。 「…じゃあ、改めて……黒瀬凜太朗です。つい最近、20歳になったばかりの大学2年。人文学部……って分かるかな?まぁ、文系の人間です。あ、大学はすぐそこの大学に通ってます。」 「へぇー!人文学部なんですか!分かりますよ、それぐらい。俺は理系ですけどねー。」 「何か、そんな感じするー!翔君は理系ってイメージだよね!」 そう僕が少し張り切って話していると……翔君が嬉しそうにニコニコと微笑んだ。 「……あ、緊張…解けてきました?敬語じゃなくなりましたね。」 「えっ…!あ、いやっ……別にっ…!」 「また緊張しないで下さいよっ!せっかく話してるのに!」 「うぅ……ごめん……」
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