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「…あ、そうなんですか。」
「ほら!また敬語!俺、高校生だから年下なんですってば!」
「……あぁ、ごめん……。」
「分かってもらえればいいです。……それで、黒瀬さんのこと教えてもらえますか?」
「僕の事聞いたって……多分面白い事も無いよ?いいの?翔君。」
「いいんですよ。……俺はただ、もっと黒瀬さんを知りたいだけですから。」
―――その声は、強く僕の心に響いた。
「…じゃあ、改めて……黒瀬凜太朗です。つい最近、20歳になったばかりの大学2年。人文学部……って分かるかな?まぁ、文系の人間です。あ、大学はすぐそこの大学に通ってます。」
「へぇー!人文学部なんですか!分かりますよ、それぐらい。俺は理系ですけどねー。」
「何か、そんな感じするー!翔君は理系ってイメージだよね!」
そう僕が少し張り切って話していると……翔君が嬉しそうにニコニコと微笑んだ。
「……あ、緊張…解けてきました?敬語じゃなくなりましたね。」
「えっ…!あ、いやっ……別にっ…!」
「また緊張しないで下さいよっ!せっかく話してるのに!」
「うぅ……ごめん……」
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