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最後の方は……恥ずかしさでほとんど聞こえないような声だった。
そんな筈なのに……翔君はニヤニヤと笑っていた。
―――だけど、そんな顔も……意外と好きと思ってしまう僕は、もうかなりの重症なのかもしれない。
「……フフッ、そうですか。それは…良かったです。……次は、最後までしましょうね?」
「さっ……最後までって…!?」
「え?最後までって…決まってるじゃないですか。セッ……」
「もっ、もう!言わなくていいからっ!!」
「え?理不尽じゃないですかー。聞いてきたの、リンさんですよー。」
「そっ、…それは……そうだけど…でも言っていい事と悪い事があって……」
僕がグダグダと無駄口を叩くのに我慢が出来なくなったらしい。
―――僕の唇は、翔君の唇に奪われていた。
「……リンさん。黙らないと…もっと深いヤツ、しますよ?」
「なっ……!」
「……まぁ、今は頂いちゃったので…今日の所はこれぐらいにしておきます。……また、連絡しますね。」
そう言うと、彼は身支度を済ませ……僕の家から去って行った。
―――僕はというと……暫くの間その場から動けずにいた。
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