第2章

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「……か、…カッコ良すぎる……」 僕は床にへたり込みながら、そんな言葉を呟いた。 終始、ドキドキさせられっぱなしだった。……本当に。 翔君は翔君で…終始、余裕の表情だった。 ―――恐らく、こういう経験を沢山積んできたのだろう。 そう思うと……少しだけ胸の奥がキュッと締め付けられて痛い感じがした。 ―――これは……嫉妬なのかな? でも、僕にはこの痛みの名前が分からない。 ……だって、今まで経験した事が無いものだから。 というか……彼の過去に嫉妬するなんて、僕は醜い人間だと思ってしまった。 過去は過去で……現在は現在。 今の翔君は……僕の事を、いや…嘘なのかもしれないけれど、『好きだ』と言ってくれる。 その言葉だけを信じてみたいと……僕は思うんだ。 「……翔君。僕も、好きだよ……」 その言葉はハッキリと……僕の部屋の中に響き渡った。 「……あ、レポートやんなきゃ!」 現実に引き戻された僕は……レポートへと取り掛かった。
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