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自分は、自分の家は……普通の家とは違う。
彼は、そう何度も痛感してきた。
その度に、泣きたい思いを我慢してきた。
―――彼は、そんな人間だった。
中学、高校と上がっていくにつれ、その寂しさは増していったが……彼は次第に妥協していった。
『寂しい』という感情を受け入れてしまった。
そうやって、自分の本当の感情を押し込めて……見ないフリしていったのだ。
友人は居た。
けれども、『友情』と『愛情』は似ているようで違うのだ。
僕は、愛を知らないまま……誰にも愛されず、そして誰も愛す事が出来ないまま、今まで暮らしてしまった。
女子に告られたことなんて一度も無いし、僕から告ることも無かった。
そして、この歳になってまだ愛が……等とほざく女々しい男になってしまった。
―――って、そんな事考えている暇なんて無かった事に今更気付く。
今週提出期限の哲学のレポートが終わっていなかった。
「……何だっけ、テーマ……。」
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