第3章

9/31

792人が本棚に入れています
本棚に追加
/231ページ
「あぁ、どうかしてるな。」 「ちょっ!そ、そんなハッキリ言わなくてもいいじゃん!」 シュウちゃんのアパートで、僕は声を荒らげた。 「……お前、ただ熱に浮かされてるだけだろ。何か愛されてるから、愛が伝わってくるから…流されてるだけだろ?」 「そ…そんな事、無いと……思うけど……」 「……リン、お前は愛された事が無いとか言うけどな、そんな見え見えな愛だけが本物の愛だとか思うなよ?」 「それは……分かってるけどさ、見えてなきゃ伝わらないじゃん。……僕はね、ただ愛されたいんだ。」 「ハァァァァー……」 え、何か長い溜め息つかれたんですけど? 「……まぁ、百歩譲ってソイツが本当にお前の事を好きだとしよう。」 「百歩も譲るの!?」 「……だとしても、どうしても信じられない。何か……ソイツにお前を任せられる感じがしない。」 「それは……シュウちゃんが知らないからでしょ。しかも、シュウちゃん…応援してくれるって言ってたじゃん。」 「気が変わった。」 ―――話しても埒が明かない。
/231ページ

最初のコメントを投稿しよう!

792人が本棚に入れています
本棚に追加