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下を向いていた僕の頬に、温かい手が添えられる。
そして、半ば強引に……上を向けさせられる。
―――シュウちゃんと……視線が絡む。
シュウちゃんの真剣な瞳の中に映った自分の顔は……何とも情けない顔をしていた。
「……っ……離してよ…。」
「お前が答えるまで……離さない。」
「……、…僕は、信じたいんだよ……。そんな…事……彼が裏切るなんて……僕は考えたくない。」
「……リン……。」
シュウちゃんの、力が弱まった。
僕は、その一瞬を逃さずに……スッと体を引いた。
「……ごめん、シュウちゃん。僕、シュウちゃんには迷惑とか掛けないから……だから、僕は…行くよ。」
そう言い残して、僕はシュウちゃんのアパートを後にした。
―――僕の頭の中は……先程のシュウちゃんの言葉でいっぱいだった。
分かるんだ。シュウちゃんが言っている事は。
理解だってしているし、あながち間違っていないとも思う。
あんな、イケメンが……こんな平々凡々な年上、しかも男に一目惚れなんて正直ある訳ない。
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