第3章

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「……翔君?」 「……えっ!?あ、何ですか?」 「いや……何でも無いんだけど、ただボーッとしてるなぁと思ってさ。」 「……そうでしたか?そんな事、無いですよ?」 「……そう?なら良いんだけど。」 ―――最近、翔君がボーッとしている事が多い気がする。 シュウちゃんにあれだけ言われていたので、もしかして……と思ってしまう。 「あの!それより、ココ教えて貰っても良いですか?」 「うん、いいよ。ココはね……」 またテストが近いらしくて、翔君はプリントやらワークやらを持ってきていて僕に分からない箇所を聞いてきた。 「……成程、じゃあ同じ様にこっちもやればいいって事ですよね?」 「うん、そうそう。ホント、翔君は呑み込み早いよね。羨ましいよ。」 「そうですか?……リンさんの教え方が上手いんだと思いますよ。」 「…褒めたって、何も出ないよ。」 そう言って僕が笑うと、翔君がニヤリと笑った。 「……?」 何で笑っているのか不思議に思い、首を傾げると……翔君の顔が近付いてきた。 ―――と思ったら……軽いキスをされた。
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