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「えっ!?ちょ、か、翔君っ?」
「……少しだけ、こうさせて下さい。」
「あ……うん…」
少しキツイぐらいに抱き締められる。
少しだけ速い、翔君の胸の音が……伝わってくる。
―――それとも、この胸の鼓動は……緊張している僕の音なのかな?
「……充電完了!じゃあ、また。」
そう言って笑った翔君の顔が……少しだけ寂しそうに見えた。
「……うん、またね。」
―――それから、暫くの間……翔君とは会えない日が続いた。
次に翔君に会ったのは、3週間後だった。
「ごめんなさいっ…!リンさん……会うの、遅くなって……」
申し訳無さそうな顔をした翔君に、僕は笑ってみせた。
「大丈夫だよ、忙しかったんでしょ?仕方ないって。」
―――って、本当は少し不安だった。
『またね。』って言って……もう来ないのではないのかと。
「…はい。テスト終わってから部活が忙しくて……なかなか来れなかったんです。ホントにすみません……。」
「……来てくれただけで十分嬉しいよ、ありがとう。」
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