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「……大丈夫ですよ、誰も居ないですから。」
「そういう問題じゃ…」
「でも…嬉しいでしょ?……俺は嬉しいし、ドキドキもしてますよ?」
そうやって僕の顔を覗き込んできた翔君は……いたずらっぽい顔をしていた。
「うっ……そりゃあ、……そう、だけど…。」
「じゃあ、暫くこうしてましょ?」
「……うん、分かった。」
ドキドキが止まらない。
握られた手が……凄く、熱い。
でも、少し大通りに出た所で人通りも多くなったので、僕達は手を外した。
映画館に着き、休日という事もあり……映画館は結構混んでいた。
「……どうします?何観ますか?」
「うーん……翔君は、何か観たいのある?」
「あー……俺はですねぇ、今話題になってるこれ観たいんですけど……」
そう言って指さした映画は、アニメ画の物。未来からやって来た少年が、現代の少女と恋をするというファンタジー物だ。
「いいよ、僕特に観たいのとか無かったから……何でもいいんだ。」
―――翔君と観れれば、何でも……。
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