第3章

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「……大丈夫ですよ、誰も居ないですから。」 「そういう問題じゃ…」 「でも…嬉しいでしょ?……俺は嬉しいし、ドキドキもしてますよ?」 そうやって僕の顔を覗き込んできた翔君は……いたずらっぽい顔をしていた。 「うっ……そりゃあ、……そう、だけど…。」 「じゃあ、暫くこうしてましょ?」 「……うん、分かった。」 ドキドキが止まらない。 握られた手が……凄く、熱い。 でも、少し大通りに出た所で人通りも多くなったので、僕達は手を外した。 映画館に着き、休日という事もあり……映画館は結構混んでいた。 「……どうします?何観ますか?」 「うーん……翔君は、何か観たいのある?」 「あー……俺はですねぇ、今話題になってるこれ観たいんですけど……」 そう言って指さした映画は、アニメ画の物。未来からやって来た少年が、現代の少女と恋をするというファンタジー物だ。 「いいよ、僕特に観たいのとか無かったから……何でもいいんだ。」 ―――翔君と観れれば、何でも……。
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