第3章

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「じゃあ、俺チケット買ってきますね。リンさんは、ポップコーンとかお願いします。」 「うん、分かった。」 僕は言われた通りにポップコーンを買いに向かい、ついでにジュースも買っておいた。 「じゃあ、行きましょうか?」 「うん、そうだね。」 映画館とか……翔君と来てから来ていなかったので、少し久し振りでワクワクしていた。 「あ……チケット代…」 「これぐらいいいですよ。その代わり、ポップコーン代はリンさんにもってもらっていいですかね?」 でも、どう考えても……翔君の方が損をする。 「でも……」 「……じゃあ、今日のお昼奢ってもらってもいいですかね?」 「……うーん、分かったよ。」 まぁ、それなら……いいかな。なんて思っていたら照明が落とされて暗くなっていた。 すると……翔君の指が、僕の指に絡んできた。 驚いて、バッ!と翔君の方を見ると……翔君が空いているもう一方の手を口に当ててシーっというポーズを取っている。 「……~っ…!」 僕は何も言えなくなって……ただひたすらドキドキしながら映画を観ることになった。
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