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―――全っ然!集中出来なかった…………。
翔君は澄ました顔してずっとスクリーンに集中していたけれど……僕はそれどころじゃなかった!
「面白かったですね!やっぱり、色んなメディアに紹介されてるだけある…」
そう言いながらニコリと爽やか笑顔で僕に微笑みかけてくる翔君に内心イラッとしつつも……
「そうだね、……とりあえず、外出ようか。」
「はい、良いですよ!」
「……ねぇ、翔君。あれ、ワザと?」
「……何の事ですか?」
「あのねぇっ!?全然集中出来なかったんだけど!?」
「……何でですか?」
ニヤついているの、隠しきれてないんだけど?
「もうッ!あんな映画館の中で手なんか繋ぐから!もう頭の中それだけだったよ!」
「あぁ、何だその事か……」
「いや、分かってたでしょっ!?ってか、何がそんなに可笑しい……」
「…いや、嬉しいんですよ?リンさんも、俺と同じ気持ちだったんだなぁって……」
「……え?」
「…俺が緊張してないとでも思ったんですか?俺だって、終始ドキドキでしたよ?」
「……いや、ずっと涼しい顔でスクリーン見てたじゃん!」
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