第3章

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「それはですね……悟られたく無かったからですよ。」 「え?」 「だって……自分から繋いでおいて、緊張してたら恥ずかしいじゃないですか。……だから、俺も正直言って……内容あんまり入ってないですから。」 そんな事を照れ臭そうに言った翔君。 「ぷはっ…!アハハハっ!何それ、僕達…ただの金損しただけじゃんっ…!」 何だかお互いに馬鹿すぎて……思いっきり笑ってしまった。 「……っ……」 「ふはっ…あれ?どうしたの、翔君?顔、真っ赤だけど……熱でも……」 そう言って触れようとした時……バッと翔君が僕から遠のいた。 「あっ……いや、その……ちょっとビックリして……」 「あ、そう?……でも、大丈夫?本当に」 「だ、大丈夫ですから!ほら!昼飯食べに行きましょう!?」 「あ……うん…」 今の翔君……いつもの翔君らしくなかった。 ―――しかも、何だかよそよそしい感じがしたし……。 そう思いながら、翔君の後を追いかけた。 「……え?ここでいいの?」 「はい。」 翔君が来たのは……牛丼屋だった。
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