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「……翔君?」
すると……ハッとしたように翔君が僕から少し離れた。
「ご、ごめんなさい……俺、理性飛んでた……」
「か、……翔君?どうしたの?何か…変だよ?大丈夫?無理しなくても……」
「すみません……ここまでしておいて、俺…今日は帰ります。」
「あ、うん……分かった。気を付けてね?」
「はい……本当にすみません。」
そう言うと、翔君は僕の乱れた服を丁寧に直してそのまま出て行ってしまった。
僕は……その後ろ姿を見て、ただただ不安になる事しか出来なかった。
―――その度に、シュウちゃんに言われた言葉が頭の中を過ぎって仕方なかった。
その後も、翔君は何度か僕の家を訪れてくれた。
その度に、何度かヤッたりもした。
―――けれども、いつの瞬間も……翔君は心ここにあらずといった雰囲気で、僕の不安は募るばかりだった。
「翔君……来週って、来れる?」
「来週……あ、すみません。その日は大事な約束があるので……。」
「……そっか、分かった。じゃあ、またね。」
「あ、……あの、リンさん!」
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