第3章

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―――あぁ、何だ。そういう事だったのか。 シュウちゃん、やっぱりシュウちゃんの言う通りだったよ……。 僕はただ……騙されていたんだ。 ―――翔君にも……そして、母親にも。 僕は、やっぱりただの馬鹿だったみたい。 やっぱり……僕は、誰からも愛されない人間なんだね。 ―――やっと、分かったよ。 僕はその喫茶店を飛び出すと、ひたすら家まで走り続けた。 店員に呼ばれた気がしたけど……そんなの関係なしに走り続けた。 ただ、泣きながら……走り続けた。 『翔君、明日会えるかな? 忙しかったらいいけど。』 僕はメールを送った。 返事は、すぐに返ってきた。 『今日の埋め合わせですか? 本当に今日は行けなくてすみません。俺は全然大丈夫ですよ!』 そんな返信が返ってきた。 僕はそのままスマホを裏返しにして、眠りについた。 「おはようございます。すみません、早く来すぎましたか?」 「そんな事、無いよ。上がって。」
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