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「初めまして、翔です。」
待ち合わせ場所に向かった俺は、その女性に自分が一番だと思う笑顔を向けた。
「あっ…は、初めましてっ!沙織です。」
女性は20代前半といったところだろうか。顔はまぁ……何処にでもある様な人だった。
「今日から沙織さんの話し相手をさせてもらいます。よろしくお願いしますね?」
「あ、はい!」
最初は緊張していたらしい沙織さんだったが、徐々に慣れてきたらしく、フラれた話を永遠と聞かされた。
―――でも、不思議と苦ではなく……お金の為なら何でも出来る、と思える自分は確実にこの仕事に向いていると思った。
「今日は話聞いてくれてありがとう!翔君、凄いイケメンだけど……何か親身になって聞いてくれたから、本当に楽しかった!」
「そう言ってもらえて良かったです!俺も楽しかったですよ。また話しましょうね。」
「うん、ありがとうね。はい、じゃあコレ……約束の分です。」
「はい、頂戴しました。ありがとうございました。あ、家まで送りますよ。もう暗いですし。」
「そんなっ!大丈夫だから!じゃあ、次は……木曜にお願いします。」
「そうですか?じゃあ、また。」
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