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「自分の息子に愛を教えて欲しい、というのがその母親の欲求らしいんだ。でも、僕等のポリシーはその人自身の欲求を叶えるって事でね……でも、無下に出来ない理由があるんだ。」
「理由……ですか?」
「うん、そう。……実は、報酬ならいくらでも出すって言ってるんだよ。」
「い、いくらでもっ!?」
あっ…思わず食いついてしまった……。
「そう、それで……その母親の理想は、男でも女でも全然構わない。中途半端にしか愛してあげられない女よりだったら、顔も良くて自分の息子を嘘でも本気で愛してくれる男の方がよっぽど良い、と言っていて……その条件を考えた時に翔君しか思い浮かばなかったんだ。」
「男……ですか。」
男の相手は初めてだった。……でも、何となく出来そうだとも自分の中で思った。
「……いける?悪い話では無いと思うんだけど。」
「……やります!やらせて下さい!」
「よし、分かった。じゃあ、相手が決まったら連絡してと言われていたので……連絡しておくね。」
「はい、よろしくお願いします。」
社長に連絡をしてもらい、その母親と明日会うことになった。
―――流石の俺でも少し緊張していた。
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