久しぶりの再会

2/8
前へ
/86ページ
次へ
*** 「晃様、今日のパーテイーは午後7時からでございま す」 「パーティーって名の、俺の嫁探しだろ」 「決してそれだけでは……」 「知ってる、言ってみたかっただけ」 *** 「碓氷くん、パーティーに行かない?」 「パーティーですか」 「セレブの集まり。うまくいけば、乗客ゲットできるかもよ」 「行きます」 有名財閥の一人息子であり、将来を約束された男、新島晃。 小さいけれど評判の良い法律事務所で働く、碓氷瀬菜。 2人の人生が交わるパーティーまで、あと少し。 「うわー、大きいパーティーですね」 「碓氷ちゃん、パーティー初?」 「はい。来る場所間違えちゃったみたい」 ははは、と一緒に来た先輩弁護士、多田直哉が笑った。 「金持ちの集まりだからね、ここは。じゃんじゃん営業かけて、お客さんゲットしちゃうよ!」 なんでもパーティーというのは、羽振りの良い客が手に入りやすい、最高の環境なのだそうだ。 「気楽にって言われても……何か周りの人達の空気がピリピリしてるんですけど」 主に女性陣。 全身を綺麗に着飾って、笑っている顔はどこか真剣だ。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加