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それに営業だ、なんて言われても。
我こそはと主役が登場するのを今か今かと待ち構えるお嬢様方に営業するだけ無駄だ。
藤田はまだ湯本様と話している。
「せっかく来たんだし、楽しまなきゃだよね」
そうと決まれば食事だ。
こんな金持ちが催すパーティに来るなんて、そうそう無いだろう。
今のうちに食べれるものは腹に入れねば。
食事はバイキング形式で、中央で談笑する人達の邪魔にならないよう隅に設置されている。
「う~ん、さすが金持ち。原材料から何までこだわってるなぁ」
ただのサラダなのに。どうしてこんなにも美味しいのか。
続いて生クリームパスタを食べようとトングを持った時。
一斉に、歓声が起こった。
「晃様だわっ」
「今日も素敵っ」
「晃様、お久しぶりですわっ」
主役が登場したようだ。
残念ながら取り巻きに囲まれて、私からは見えないけど。
それにしても。
凄い人気だ。どんだけカッコいいんだろう。
「まあ雲の上の存在なワケだし、私には関係ないしいっか」
それより食事だ食事。
「いっただっきま~……痛っ」
「いただきます、じゃねーよアホ。挨拶してこい挨拶」
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