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私は、中学生になった。
水泳部員の私は毎日プールに通っていた。
泳ぐのは大好きだ。
だけど、それより好きなのは...
「夏海ちゃん、頑張ってるね。今日もタイム縮んでる」
同じ水泳部の優しい先輩。
「せ、先輩!!」
私は彼に片思いしている。
今度の大会。
もしも、いい記録が出せたら。
先輩に告白しよう。
3年生の先輩は、大会が終わったら引退してしまうから。
そのためには、頑張って練習して、いい記録を出そう。
そう思っていた私は、偶然聞いてしまう。
「お前、夏海ちゃんと仲いいよな」
更衣室の前、話しているのは、先輩と友達。
「ハハハ、可愛い後輩だからな」
可愛い後輩、そう言ってくれた先輩に胸が弾む。
「好きなんじゃねーの?夏海ちゃんのこと」
ドキッとした。
「やめろよ~俺、色白の子が好きだし」
...自分の肌を見る。
毎日の練習で真っ黒に日焼けした肌。
先輩に褒められるために頑張った練習なのに。
「夏なんてなくなればいいのに!!」
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