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砂嵐舞う荒野。
そこにいるのは、騎士のような鎧を纏った二人の男が佇んでいた。
否。
それだけではない。
男達を囲むように、円形に倒れ伏した9人の鎧の戦士…すなわち、仮面ライダー。その背後にも幾重にもライダー達が倒れ伏している。
皆、共通しているのは見るも無惨に鎧がズタズタに破壊されているということ。
ピクリとも動かないそれらには最早、生気などは感じるに至らなかった。
「■■…お前は…!」
目の覚めるように鮮やかなマゼンタ色の鎧の男が怒りを露にするように呟く。
対峙する戦士は、怒る男を嘲笑うように言った。
「ディケイド…俺はかつて紅渡がお前に言った事を実行してるだけだぜ?」
「なんだと…!?」
剣を撫でるその仕草は武器(エモノ)を愛でるよう。
愛おしいように見つめながら、鎧の戦士はディケイドに言葉を返した。
「お前が再生させた世界がその後、どうなったかわかるか?」
「…?」
疑問を抱くディケイドに構わず鎧の戦士は続ける。
「再生された世界のライダーは、確かに存在し、また紅渡達“本当の仮面ライダー”の物語は紡がれた。だが、再生された世界のライダー…お前が仲間にしてきたライダー達は存在理由を失ったんだよ!」
世界がぼやけ、音が遠退いていく。
『ーーーーーー!』
『ーーーーーー!』
二人の男が話す言葉も、判別が出来ない。
意識が“戻っていく”…。
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