chapter1

6/6
前へ
/15ページ
次へ
ーーーーーー 「美味しかったですねー、また行きましょうよ来斗君」 「…財布の紐が緩い時で頼む」 いつもの日常。 いつもの会話。 時が進むなかで、俺達人間という存在は“変わらずにはいられない”。 刹那、視界が歪み 気付くと俺は、見知らぬ空間に佇んでいた。 果てなき荒野。 一人の影に、複数の影が立ち向かっていく。 迎え撃つ影は、次々とそれらをなぎ払い、屍の山を築く。 そんな抗争の中を、悠然と歩いてくる一人の男。 「だれだ…?」 『貴方はレジェンド…全てのライダーを監視する者』 「は?」 いきなりそんなことを言い出すもんだから、ついつい剣呑な返しになってしまう。 が、それには構わず、目の前の男は続けた。 『かつて世界の破壊者、ディケイドによって救われた世界がありました。ですが、それは“存在し続ける筈のなかった世界”』 ディケイド?たしか英語で十周期とかそんな意味だったよな…。 『時が経つにつれ、それらの世界は存在理由を失いつつある』 …とりあえず話を聞くか。 「それで?俺にどうしろと?」 『貴方に…“破壊”してもらいます』 「世界を壊す?どんな神様だよ?紫の猫もどきみたいに破壊神になれってか?」 『なれ、ではなく…貴方はその運命からは逃れられません。終わらせてあげてください…彼らの…9人の仮面ライダーの呪縛を、そして…その先のライダーの物語を‘ 貴方’が語り部となり紡ぐのです』 ーーーーーー 「来斗君?来斗君!?」 「あ、ああ…夏海か」 意識が急に覚醒したと思ったら、夏海が俺の肩を揺すっていた。 「ああ夏海かじゃないですよボーッとして」 「あ、うん…大丈夫…たぶん」 一体なんだったのだろうか。 俺の運命が決まっている。 夢(?)の中の男は確かにそう言った。 俺はまだ知らなかった。 もう運命の足音が、すぐそばまで迫っていることに…。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加