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「美味しかったですねー、また行きましょうよ来斗君」
「…財布の紐が緩い時で頼む」
いつもの日常。
いつもの会話。
時が進むなかで、俺達人間という存在は“変わらずにはいられない”。
刹那、視界が歪み
気付くと俺は、見知らぬ空間に佇んでいた。
果てなき荒野。
一人の影に、複数の影が立ち向かっていく。
迎え撃つ影は、次々とそれらをなぎ払い、屍の山を築く。
そんな抗争の中を、悠然と歩いてくる一人の男。
「だれだ…?」
『貴方はレジェンド…全てのライダーを監視する者』
「は?」
いきなりそんなことを言い出すもんだから、ついつい剣呑な返しになってしまう。
が、それには構わず、目の前の男は続けた。
『かつて世界の破壊者、ディケイドによって救われた世界がありました。ですが、それは“存在し続ける筈のなかった世界”』
ディケイド?たしか英語で十周期とかそんな意味だったよな…。
『時が経つにつれ、それらの世界は存在理由を失いつつある』
…とりあえず話を聞くか。
「それで?俺にどうしろと?」
『貴方に…“破壊”してもらいます』
「世界を壊す?どんな神様だよ?紫の猫もどきみたいに破壊神になれってか?」
『なれ、ではなく…貴方はその運命からは逃れられません。終わらせてあげてください…彼らの…9人の仮面ライダーの呪縛を、そして…その先のライダーの物語を‘ 貴方’が語り部となり紡ぐのです』
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「来斗君?来斗君!?」
「あ、ああ…夏海か」
意識が急に覚醒したと思ったら、夏海が俺の肩を揺すっていた。
「ああ夏海かじゃないですよボーッとして」
「あ、うん…大丈夫…たぶん」
一体なんだったのだろうか。
俺の運命が決まっている。
夢(?)の中の男は確かにそう言った。
俺はまだ知らなかった。
もう運命の足音が、すぐそばまで迫っていることに…。
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