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どうやら昨日の男が言っていた運命がどうとかというのはこういうことらしい。
「9つの世界を渡り、それを終わらせて…世界の仮面ライダー達の呪縛を終わらせる…そして新たなライダー達の物語を監視する…ですね?」
「ほう…誰から聞いた?その話」
「昨日、変な若い男から」
「………」
しばらくの沈黙。
だが、何事もなかったように社長は続けた。
「知っているなら話は早い、わが社“RIDER WORKS”は表向きこそシステムウエアの会社だが、実際はこっちをやるための隠れ蓑に過ぎん。我々の目的は、世界の破壊者・仮面ライダーディケイドのやり残した使命の後始末というわけだ」
後始末というとえらくあっさりだが、世界を完全に終わらせてしまうということは、数多の命を奪うことに他ならない。
「…やってくれるか?」
珍しくあの傍若無人を絵にかいたような社長が問う。
それほどの重みがあるということなのだろう。
だが、俺には断る権利も、ましてや考えもなかった。
なぜなら…
「やりますよ…。命の恩人の貴方にいわれたのなら…貴方の言うことは今まで間違ってたことなんて、ないんですから…」
命の恩人から与えられた使命と、他世界の滅びのリスクを天秤に賭けた俺の思考は恐らく、他人からすれば盲信だとか言われるのだろうが。
俺はそれでもやると決めた…。
9つの世界の破壊と、新たなライダーとやらの物語を紡ぐことを。
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