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放課後
勇真が女の子に呼び出されて、廊下で何かを受け取っていた。
「この手紙! 黒金くんに渡してください! お願いします!」
そう言われ、ラブレターをどうしたらいいか分からずおろおろとしていた。
たぶん、自分にくれると思ったんだろうな。
呆然と立ち尽くしてる勇真を現実に引き戻すため肩を叩いた。
これが、一度で済めばいいけどな。
でも現実はそんなに甘くない。
「お前、これからそんなのばっかり受け取るぞ」
「マジかよ。僚也、俺、もう死にたい」
優しく抱きしめ、俺は毒を吐く。
「そうか、なら、死んじまえ」
「えっ!? ひどっ!」
「冗談だ」
「冗談になんねぇよ。俺ショック」
やっぱり、いじりがいがある。一つ一つの反応がおもしろい。
俺は笑みを浮かべ、勇真の髪をわしゃわしゃした。
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