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「勇真・・・・・・」
そっと、唇に当たる柔らかな感触。
ふん? んんん!
キス!?
「起こしちまったか」
俺は体を起こし、布団で顔半分を覆った。
顔が熱い・・・・・・俺、今、どんな顔して・・・・・・。
「なあ、お前、今日からどうしたい?」
「へぇ?」
「ほら、林間学校。まだ、2日あるだろ?」
「あ・・・・・・」
そりゃ、林間学校は楽しみだったけどもう、家に帰りたい。
「帰りたい・・・・・・」
黒金は俺の隣に座り、頭を撫でる。
「やっぱ、そうだよな・・・・・・じゃあ、一人で帰るか、先生と二人で帰るか、母さんに迎えに来てもらうか。選べ」
「そ、その中で?」
「そうだ」
選べって・・・・・・一人は怖ぇし、先生ととか息が詰まるし絶対にいやだ。母さんはこんな所まで迷惑だし・・・・・・。
「お、お前は」
「ん? どうした?」
うわぁ、そんな優しい目でみんなよ!
「く、お前は、一緒に行ってくんねぇの?」
「俺は、まだ林間学校を楽しみたいからな」
「え?」
一緒に行ってくれない・・・・・・そんな・・・・・・。
「はっは、冗談だ。そんな、顔されちゃ、一緒に行くしかないだろ?」
「こんの、最初からそのつもりだっただろ!」
わざと、俺の口から言わせやがって!!
俺は、黒金を一発はたいて布団に潜った。
だけど、一緒に帰ってくれるとそう分かっただけで、なんか、にやけが止まらなくなってしまった。
「いかねぇのか?」
「あ、あと、ちょっとしてから」
「はいはい」
黒金は布団の上からぽんぽんと優しく叩いた。
なんでこんなに嬉しいんだろう。
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