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「いえよ」
黒金は服に入れていた手をさらに進行させ、胸の突起を掠める。
「ぃや」
怖い。こわい・・・・・・。
黒金。キレてる・・・・・・こんな怒った所なんて初めて見た・・・・・・。
どうしよう。本当に怖い・・・・・・。
「黒金、離して」
「言うまで、離さない。言って」
黒金の顔がどんどん近くなる。
足腰の力が抜けて、ズルズルとしゃがみ込む。それでも、黒金との距離は変わらない。
「言って」
「・・・・・・ぃ」
「聞こえない」
黒金は耳元で囁いた。
そして俺は・・・・・・。
「こわぁぃぃぃ。そんなこと言われてもわかんない。黒金、目がこわいぃ」
「おい、勇真・・・・・・」
「うわぁぁ~ん」
「うえ!?]
俺の目から溢れるほどの涙が出る。もう、自分では止められない。
「ごめん。悪かったから、泣くな」
ぼろぼろと涙があふれてきて、視界がゆがんでいく。
「ごめん。勇真。俺が答えを早まった。攻めすぎた。本当にすまん。だから、泣くな」
そう言って、黒金は目尻の近くに軽く口づけをして、指で涙を拭った。
そうしたら、なぜか涙は止まった。
「ほら、たてるか?」
黒金は俺に手を差し出す。
俺はその手に手を置いた。
「もう、こういうのやめろよ・・・・・・」
マジで、怖いから。
黒金の目をじっと見ると、目を泳がせた後、逸らされた。
「わ、わかった」
おい、信用出来ねぇな。
まあ、これで俺はこいつの弱みを掴んだも同然だな。
これで、こいつから少しは逃げられる・・・・・・かもしれない。
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