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幽霊船の話等もう忘れて、二人の研究者は興奮に流行る気持ちをなだめつつ、慎重な作業を開始した。 堆積した塩の中より現れた構造物の一端に機材を取り付け、まずはその厚みの測定。 内部構造を音波の反響や、赤外線を使って詳しく調べる。 「変形は有るが、内部への塩の堆積は余り見られない様だな」 「なら、このまま亜空間テレポート出来るか」 既に防護服に身を包んだ二人は、どちらが先に入るかを論じた。 何時もなら多少なり危険性が有ると判断されてニチが先に行く。 彼の特殊カーボン製の肌は自在にその硬度を変えて身を守れるし、四本ある腕は不測の事態に対応し易い。 だが今回ばかりは、ディも一緒にテレポしたいと言い張った。 以前調査で先に入り込んだニチが、脆い構造物を台無しにしてしまった経験のせいだ。 「あんな事は二度としない」 ニチがそう言うもののディは引かなかった。 「内部は塩に因る腐食が予測される。お前のでかい図体でドスドス歩かれただけで崩れないとも限らないんだ」 結局、危険性は限りなくゼロに近いとの判断に任せ、二人はそろって内部へと入った。
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