イリーナと鏡の中の世界

家に帰ったイリーナは、母親のベッドの傍で泣いてしまいました。
「まぁどうしたの。可愛いイリーナ」
母親がイリーナの頭をそっと撫でます。
「お母さん、私とっても悔しいわ。だって、お父さんやお母さんをバカにされるんだもの」
遂にイリーナは母親に抱きつき、泣いてしまいました。
「お母さん…私見返してやりたい。エイミーみたいな綺麗な服を着て」
両親もそうしてやりたい気持ちでいっぱいですが、この家にはそんなお金がありません。
「イリーナ…本当にすまないね…」
申し訳なさそうに父親が、そうつぶやきました。
「ううん…いいの、わがままを言ってごめんなさい」
必死で涙を止めようとするイリーナの姿に、両親の胸はさらに締めつけられます。