孤独な2人

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「一人って嫌だよ……」 「んじゃ二人でいいんじゃないか?」 「え?」  ミリアは寝転がったまま俺の顔を見ていた。 「助けてもらったんだから恩返しくらいさせてくれよ」 「高くつくわよ?」  ミリアは冗談めかして言い、クスクスと笑う。 「上等だ。受けてたってやる」 「一文なしのくせに」 「な!?少しは手持ちがあるぞ、一応財布持ってたし」  これは事実だ。いつも財布は持ち歩いてたからな。 「フフフ、じゃあ期待してるわね」  ミリアはそう言いながら立ち上がった。 「もうそろそろ戻ろっ」 「そうだな………ぐぅ」  俺は立ち上がろうと踏張り、呻きを漏らした。 「あっ一応怪我人だったわね。はい、肩かしてあげる」  俺はミリアの肩をかりて小屋まで戻った。  それから俺たちは他愛のない話で時間を潰した 「あ、そうだ、少し肩の傷見せて」  丁度朝食の果物を2人でかじっている時に、突然ミリアが言った。 「え?何でだ?」 「まあ命を捨てる勇気があるならでいいけど」 「な、なんか引っ掛かるけどいいよ」  俺はミリアの挑戦を受けて立ち、肩の傷を見せた。 「失敗したらごめんね」  ミリアはそっと手を肩の傷口にあてる。 「………ヒールライト」  ミリアが小さな声でそう呟くと、ミリアの手が暖かく白い光な包まれた。
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