481人が本棚に入れています
本棚に追加
村についた俺達は有り得ないものを見た
「なにあれ……魔物じゃないよね?」
「あれは……人間?いや違う……」
村を襲っているのは一匹の、魔物と人間の狭間のような生物だった。肌は緑色で腕は獣のようにけむくじゃら、体じゅう継ぎはぎだらけだが顔は人間そのものだ。
その生物は太い腕を振り上げ女性を潰そうとしている。女性は腰を抜かしているのか動こうとしない。
「危ない!!」
俺は生物と女性の間に割り込み剣で腕を受け止めた。衝撃が剣を通して俺の腕に伝わり、腕の感覚を麻痺させる。
後ろではミリアが女性の傷をを塞いでいた。
「大丈夫ですか!?」
「あ、あんた達のせいよ!!この疫病神!!」
女性はミリアの手を振り払ってどこかへ逃げ去っていく。
「な!?あれが助けてくれた人にたいする態度か!?」
「カイっ!前!!」
俺がミリアの声で前を向くと、生物が俺の腹に蹴りを放っていた。
「―――っ!?」
蹴りは見事腹にクリーンヒットし、俺は声にならない悲鳴と共に軽く吹っ飛ぶ。
「大丈夫!?」
「な、なんとか」
俺は剣を杖がわりにして立ち上がり、ミリアが寄ってくるのを手で制止した。
最初のコメントを投稿しよう!