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「ミリア、少し離れてて」
「う、うん」
ミリアは素直に後退した。
俺は剣を両手で持ち構える。俺の剣術はほとんど我流だ。だが親父の影響が少しだけあるので完全な我流ではない。
生物は喉を低く鳴らして俺を睨みつけている。
しばらくの沈黙、俺も生物も相手の隙をうかがい対峙した。
先に動いたのは俺だ。
俺は姿勢を低くして生物に向かって走りだす。生物も俺が動くのを見ると走りだした。
そして甲高い金属音が響きわたる。俺の剣は生物の鋭い爪によって弾かれていた。
俺はそれにめげずに剣を振るい続けた。生物も両腕を素早く動かし抵抗してくる。だがペースは完全に俺のものになっていた。
俺が渾身の力を込めて剣を振り下ろすと、生物は俺の剣を受け止め動きを止めた。
「さっきはよくもやってくれたな!!」
俺は生物の動きが止まった隙を見逃さず、腹に蹴りを入れた。生物は呻き前屈みになる。
「倍返しだ!!」
俺は前屈みになった生物の頭にヘッドバットをかました。これが意外に効いたらしく、生物は頭を抑えてもんどりうつ。
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