孤独な2人

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「ラスト!!」  俺は叫ぶと同時に剣を生物の心臓に突き刺した。  耳障りな断末魔の悲鳴。生物は膝から崩れ落ち、絶命した。 「……あれ?血がない……」  俺が引き抜いた剣には血が一滴もついておらず、生物からも血は噴き出さなかった。まるで加工された肉を突き刺した感覚だ。 「カイ!大丈夫!?」 「大丈夫だよ」  俺がミリアに向かって歩き始めた瞬間、俺達に石が飛んできた。 「こいつらしつこいな」 「疫病神!!でてけ!!」  俺はうんざりしていた。助けてやったのは俺達なのになぜ疫病神と言われなきゃならないんだ。 「出てってやるさ、そのかわりミリアは村に置いてくれ!!」 「ふざけるな!!なんで疫病神を―――」 「疫病神は俺だ!!俺が村に来てからこいつが来ただろ」  俺の怒号に辺りは静まり返る。 「………お前が出てってまた魔物が来たら追い出す」  村人達は意外なほどあっさりと納得して、それぞれの家に入っていった。 「ってわけだ」 「……また私一人なんだ……」
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